アキレス腱炎が長引く方へ|自宅でできる段階別エクササイズと回復の考え方

山岡洋祐

こんにちは。 おうちでできる歩行ケア、代表の山岡です。

「アキレス腱が痛くて走れなくなった」

「安静にしていたのに、動き出したらまた痛くなった」

「もう何ヶ月も良くならない…」

こんなお悩み、ありませんか?

アキレス腱炎は、ランナーの方だけでなく、日常的にたくさん歩く方や立ち仕事の方にも起こりやすい症状です。そして厄介なのが、休んでいるだけではなかなか良くならないということなんです。

今回は、アキレス腱炎が長引いてしまう仕組みと、自宅でできる段階別のセルフエクササイズについてお伝えします。

記事の最後に動画でもご紹介していますので、そちらもご参考ください。

休んでいるのに良くならないのはなぜ?

「炎症なんだから安静にしていれば治るはず」

多くの方がそう思われるのですが、実はアキレス腱炎には安静だけでは解決しにくい理由があります。

アキレス腱はコラーゲンでできた丈夫な組織ですが、繰り返し無理な力がかかると、繊維の並び方が乱れてしまいます。医学的には「変性」と呼ばれる状態で、イメージとしては新品のゴムバンドがひび割れて弾力を失ってしまったような状態です。

安静にしていると炎症そのものは落ち着くのですが、この弾力を失った状態はそのまま残ってしまいます。そこにまた負荷がかかると、弱くなったところから再び傷んでしまう。

これが「休んでも治らない」を繰り返す仕組みです。

回復のポイントは「正しい負荷をかけること」

じゃあどうすればいいのかというと、答えは「適切な負荷で少しずつ使っていく」ことです。

この考え方は「ローディング」と呼ばれていて、弱くなった腱に正しい順番で刺激を入れることで、コラーゲンの配列を整え直し、腱の強度を取り戻していくというものです。

大切なのは、いきなり強い負荷をかけないこと

段階を踏んで、少しずつレベルを上げていくことがポイントになります。

始める前に知っておいてほしいこと

エクササイズを始める前に、2つの目安を覚えておいてください。

① 痛みは10段階のうち3まで

0が全く痛くない、10がどうしようもないほど痛い、という基準で、3以下の痛みであれば続けてOKです。4以上の痛みが出たら、回数や秒数を減らしてください。

② 翌日の状態をチェックする

エクササイズをやった24時間後に痛みが明らかに強くなっていたら、負荷が強すぎるサインです。一旦休むか、レベルを下げましょう。

自宅でできる3段階エクササイズ

ステップ1:止まるだけ(アイソメトリック)

まず最初は、動かさずに力を入れるだけです。

壁やテーブルなど支えを持ちながら、つま先立ちの姿勢で30〜40秒キープします。

  • 初日は1回だけでOK
  • 翌日問題なければ、3〜4回に増やす
  • 最低1週間はこのステップを続ける

ここで焦って次に進んでしまうと、まだ弱い腱に強い負荷がかかってしまいます。「物足りないな」と思うぐらいのペースがちょうどいいんです。

ステップ2:ゆっくり動かす(スロー動作)

ステップ1を1週間以上続けて問題なければ、今度は上げ下げの動きを加えます。

3秒かけて上げて、3秒かけて下ろす。

ゆっくり丁寧に動かすことで、腱に適度な負荷が入ります。

  • 10回×3セットを1日の目安に
  • 慣れたら15回に増やしてもOK
  • 痛みが3以下であれば継続
  • こちらも1週間以上は続ける

ステップ3:負荷を上げる(段差を活用)

ステップ2まで進むと、普段の生活ではほとんど痛みを感じなくなっている方が多いです。

ここでは、タオルや段差を利用してつま先を少し高くした状態を作り、そこからつま先立ち→ゆっくり下ろす動作を行います。深い位置からの動作になるため、腱への負荷がさらに高まります。

  • まずは両足で行う
  • できるようになったら片足にチャレンジ
  • 片足でスムーズにできれば、腱の強度がかなり戻ってきている証拠です

走りたい方へ:焦らないことが近道

ランニングに復帰したい方は、ステップ3まで安定してこなせるようになってから走り始めてください。

いきなり以前と同じ距離を走るのではなく、短い距離からスタートして、坂道やスピードアップは段階的に取り入れていくのがおすすめです。

エクササイズの効果をさらに高めるために

アキレス腱炎が起こる背景には、足の歪みや重心のかたよりが関係していることが少なくありません。

足が内側に倒れやすい方は、アキレス腱がまっすぐ引っ張られず、ねじれながら引っ張られてしまうため、腱に余計な負担がかかりやすくなります。

エクササイズで腱を強くしていくと同時に、足元の土台を整えてあげることで、回復がより早くなります。

動画で実際の動きをチェック

今回ご紹介した3段階のエクササイズについて、実際の動きを動画で詳しく解説しています。文章だけでは分かりにくいフォームや力の入れ方も、わかりやすくご確認いただけます。

動画はこちらからもご覧いただけます:https://youtu.be/Kb8Mp9XTfNU

まとめ

アキレス腱炎が長引くのは、腱の変性によって強度が落ちてしまっていることが大きな原因です。安静で炎症は引いても、弱くなった腱はそのままでは元に戻りません。

正しい負荷で段階的に鍛えていく「ローディング」が、回復への近道です。

  1. 止まるだけ(つま先立ちキープ 30〜40秒)
  2. ゆっくり動かす(3秒上げ・3秒下げ × 10回 × 3セット)
  3. 負荷を上げる(段差を使って両足→片足)

痛みの目安(10段階のうち3以下)と、翌日の状態チェックを守りながら、焦らず取り組んでみてください。

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山岡 洋祐
山岡 洋祐
サンヒルズ 代表
公式オンラインショップ

整骨院の知見に基づき歩行をケアするアイテムを開発しています。

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